左右で2回脱腸になりました。。。鼠径ヘルニア体験談!
生まれてこのかた40数年。。。
20代の半ばに1度手術を受けて治療した鼠径ヘルニア。
40代になってまたまた鼠径ヘルニアになってしまいました。。。(泣)
20代の1回目の鼠径ヘルニアの時は右側、今回40代になってからの2回目の鼠径ヘルニアは反対側の左側。
まさか左右、2回も鼠径ヘルニアになるなんて。。。
(あとで出てきますが病院の先生の話では1回鼠径ヘルニアになった人が2回目の鼠径ヘルニアになる確率は10パーセントらしい…)
左右で鼠径ヘルニアになるなんて考えたこともなかったのでショックは大きかったです。。。
そこでせっかくなので私が左右で2回、鼠径ヘルニアになった体験談を書いていきたいと思います。
鼠径ヘルニアとは。。。
【ヘルニア】といえば腰の病気と思われがちです。
私も鼠径ヘルニアと診断を受けた時は「腰は痛くないんだけどなぁ~」とアタマの中で考えてしまいました。
元々、ヘルニアという言葉は体内の臓器などが正常な位置から逸脱した状態のことを言います。
良く使われるヘルニアとは腰の椎間板のヘルニアのことで椎間板の中の組織の一部が飛び出し、付近の神経を圧迫し腰の痛みを生じる症状のことをいいます。
これは椎間板ヘルニアと言って鼠径ヘルニアとはまったく別の病気になります。
鼠径ヘルニアとは太もものつけ根(鼠径部)の部分にできるヘルニアのことで、鼠径部の筋肉の弱くなったところからお腹の中にある腹膜が袋状に飛び出し、コブのようなふくらみが太もものつけ根にできる症状のことです。
鼠径ヘルニアは脱腸とも呼ばれています。
脱腸のほうがよく耳にするかもしれませんね。
鼠径ヘルニアのふくらみは私の場合は1度目の時はピンポン玉ほど、2回目の反対側になった時は大きく鶏卵ほどの大きさになりました。
鼠径ヘルニアのふくらみは私の場合、朝の寝起き時は小さく、ふくらみがないこともありますが日常生活をしているうちにいつの間にか膨らんでいるような症状でした。
鼠径ヘルニアのふくらみ自体には痛みはなく、ただ違和感とたまに少し鈍痛を感じる程度でした。
1回目の鼠径ヘルニアの時は小さいものだったので、膨らみに気づいてから半年くらい病院に行かず放置していました。。。(汗)
病院に行くことが好きではなかったので、ふくらみがあるのは気のせいだと自分自身に言い聞かせていましたね。。。
1回目の鼠径ヘルニアの治療と手術体験
鼠径ヘルニアの症状発見から病院への受診まで
1回目の鼠径ヘルニアになったのは今から20年ほど前の20代半ば過ぎころ。
2回目の鼠径ヘルニアになったのが40代。。。記憶を思い出しながらまずは1回目の鼠径ヘルニアの体験談を書いていきます。
1回目の鼠径ヘルニアの症状に気づいたのは、ふと下腹部を見た時。
へその右下あたりに小さなピンポン玉くらいのふくらみに気づきました。
初めての鼠径ヘルニアの症状、このふくらみに気づいた時の印象は。。。
「なんだコレ。。。」
ただ膨らみはあるものの痛いわけでもなかったので、何となく膨らみは気にはなりつつも見て見ぬふりで病院にすぐに行くこともなく放置状態になっていきました。
夜に寝ている間にふくらみは小さくなり朝起きるとふくらみが目立たなくなっていることと痛みがないということで自分の中でいつか自然に治るんじゃないかという淡い気持ちを持ちながら放置して過ごしていました。
約半年 (けっこう放置してました。。。汗) ほど下腹部の膨らみを放置した状態で過ごしていましたが、さすがに自分の中でも不安な気持ちが大きくなっていきました。
ふくらみ自体も少しずつ大きくなってきて、ポコッと出ている時間も長くなってきたのでいよいよあきらめて病院の外科を受診することにしました。
いまでこそインターネットが普及し、何でもインターネットである程度情報を得られる時代になりましたが、今から20年ほど前は病状をカンタンに調べることもできずにまったく分からないまま外科のある病院に行きました。
「なにか悪い病気だったらどうしよう・・・」と思いながら病院の外科を受診。
いろいろ検査とか受けるのかと思いきや、外科の先生はふくらみを見てすぐに症状がわかったようで。。。
私が想像もしていなかった一言。。。
「手術ですね、手術でしか治りません」
私は声を失い、『手術』という言葉に落ち込みました。
病気の診断は「右鼠径ヘルニア」ということで、私にとっては初めて耳にする病名でした。
鼠径ヘルニアは手術でしか治らないということと放置しておくと腸が飛び出したままになり最悪飛び出した腸が壊死してしまうということで私は手術を受けることになりました。
1回目の鼠径ヘルニアの手術と手術後
今から20年ほど前の1回目の鼠径ヘルニアの手術。
現在の鼠径ヘルニアの手術は 前方アプローチ法 という手術方法と 腹腔鏡下手術 という手術方法の2種類の方法(今回の2回目の鼠径ヘルニア手術の病院のはなし)があるということですが、当時は前方アプローチ法という手術方法しかなかったのか鼠径ヘルニアの手術、治療の仕方を選択することもなく前方アプローチ法という方法での手術となりました。
鼠径ヘルニアの手術時は下半身麻酔で麻酔をし、お腹を切って腸が出てきている穴をメッシュシートで覆い穴をふさいで腸が出ないようにすると外科の先生から説明がありました。
20代半ばで初めて受ける手術。。。
その時の心境は。。。恐怖でしかなかったですね。。。(汗)
ただ鼠径ヘルニアは手術を受けないと治らないというということなので、心を決めて手術に挑むことにしたのを覚えています。
(鼠径ヘルニア用の抑えバンドなどもあるらしいが外科の病院の先生の話ではあまりよくないとのことだった。。。)
鼠径ヘルニアの手術の当日はベッドに乗せられて手術室へ。。。
下半身麻酔ということで腰に麻酔注射を打ちます。
外科の先生より「痛い注射です。」と説明は受けていたのですが下半身麻酔の注射が痛かったどうかはあまり記憶にありません。
おそらくその後にメスを入れられることへの恐怖のほうが勝っていたのかも知れません。。。
麻酔注射を打たれるとだんだんと下半身がしびれていき、下半身がカチンコチンになるような感覚。。。
自分の下半身が自分のものではないような感覚になり不思議な感じでした。
先生が私に痛いかどうか聞いてきて下半身麻酔の効き具合を確認してから手術が始まります。
手術中は下半身麻酔により痛みはないものの、先生の会話やカチャカチャと手術器具の音が聞こえるので、最初から最後までずっと意識があったかは覚えていませんがストレスはかなりありました。。。
とりあえず鼠径ヘルニアの手術は無事に終わりましたが、その手術後のほうがタイヘンでした。
下半身麻酔の影響なのか。。。鼠径ヘルニアの手術後に下半身のベッドに触れている部分、足から太もも、おしり、腰までが赤く腫れあがり熱を持ちヒリヒリと痛み出しました。
ずっと同じ部分を下にして寝ていたせいか、床ずれになったようで手術当日の夜と翌日は痛くて眠れませんでした。
そんなこともあり当初予定していた入院期間よりも実際の入院期間は長くなってしまい、2週間弱の入院期間となりました。
これが20代の時にうけた1回目の鼠径ヘルニアの手術、治療です。
2回目の鼠径ヘルニアの治療と手術体験
2回目の鼠径ヘルニアの症状発見から病院への受診まで
40代になり以前に手術した鼠径ヘルニアのことはもう忘れかけていたころ。。。
ふと風呂上りに下腹部をみると左の太ももの付け根あたりにポコッとしたふくらみが。。。
前回鼠径ヘルニアになったほうの反対側。。。
ふくらみ自体に痛みはなくふくらみを押すとへっこんだり、指を離すとまたポコッと飛び出たり。。。
まさかとは思ったが、これはまた 鼠径ヘルニア か・・・??
ただ前回の鼠径ヘルニアの時は右側で今回は反対側の左側なので前回の鼠径ヘルニアの再発ということではなさそう。。。
そういえば1回目の手術を受けたあとに外科の先生が「今後また反対側が鼠径ヘルニアになる可能性はある」。。。
というようなことを言っていたのを思い出した。
また手術なのか。。。
人生で左右で2回も鼠径ヘルニアになるなんてなんてついてないんだろう。。。(泣)
反対側まで鼠径ヘルニアになるとは。。。
このまま放置していても仕方ないのでおそらく鼠径ヘルニアだろうと思いながら病院の外科に行きました。
病院の受付の問診の時に病状を説明すると、すでにその時点で問診票の用紙に『そけいヘルニア ?』と受付の人が書いていました。
鼠径ヘルニアになる人ってけっこう多いのかなぁ。。。
と思いながら外科の待合に移動。
外科の先生の診察を受けて診察のみで『左鼠径ヘルニア』と診断を受けました。
病院の先生の話しでは鼠径ヘルニアの手術を受けた人の中で10人に1人くらいの割合で反対側も。。。左右で2回鼠径ヘルニアになる人はいるようでした。
そして、やはり鼠径ヘルニアの治療は20年たっても手術しかないようだ。。。
ただ手術の方法が20年前に鼠径ヘルニア手術を受けた時にはなかった 腹腔鏡下手術 という方法があり、先生は腹腔鏡下手術をすすめてくれました。
腹腔鏡下手術は手術後の痛みが少なく、左右両側の鼠径部の状態が観察できるのでもう一方にも不具合があれば処置できるらしい。。。
それ以外にも入院期間が短く済むとの説明を受けました。
もし、前回の鼠径ヘルニアの手術の時に腹腔鏡下手術があれば反対側の鼠径部も診ることができ、両方のそけい部の穴をふさぐことがデキタノカナ。。。涙
また腹腔鏡下手術は全身麻酔のもとでおこなうということでした。
前回の鼠径ヘルニアの手術の時は下半身麻酔で手術中に意識があり、手術中の負担が大きかったので、全身麻酔のほうが自分的にはいいのかな。。。と思いながら腹腔鏡下手術で鼠径ヘルニアの手術をすることにしました。
2回目の診察時に手術を受けるにあたっての検査を行いました。
身長、体重測定にはじまり採血をして血液検査、胸とお腹のレントゲン、心電図、肺機能検査を受け、最後に心臓のエコー検査を受けて手術の日程が決まりました。
2回目の鼠径ヘルニアの手術と手術後
今回の2回目、反対側の鼠径ヘルニアの手術は腹腔鏡手術ということで鼠径ヘルニアの治療にかかる入院のスケジュールは手術前日から入院して術後3日目で退院という4泊5日という前回の鼠径ヘルニアの手術よりもかなり短い期間での予定で実施するということでした。
入院当日(手術前日)
朝から入院。。。鼠径ヘルニアは痛みがあるわけでもないので体が元気な中での入院で何だか変な感じがしますが。。。
全身麻酔による手術のためまずは口の中のクリーニングをするとのこと。
全身麻酔による手術での様々なリスクを減らすため口の中を清潔にします。
口の中を清潔にすることで手術後の肺炎のリスクを減らすことができるらしい。
歯にこびりついている歯石も取ってくれました。
次に腹腔鏡手術にそなえておへその掃除。
腹腔鏡手術はおへそからカメラを入れるので術後の感染症を防止するためにおへそをキレイにするみたいです。
。。。これがかなりくすぐったい。。。
へそは子供の時に親から「お腹痛くなるから絶対に触ったらダメ!!」。。。という教育をうけていたのでこの歳になるまでまったく触ったこともなく。。。
おへそをいじられるなんてかなりの恐怖感。。。
なんとかガマンしてへその掃除も終え、あとは明日の手術を待つだけとなりました。
夕食後から専用の補水液のみ飲むことが許され、それ以外は飲食禁止となりました。
鼠径ヘルニアの手術当日
鼠径ヘルニアの手術時間は12:00~13:00くらいの予定ということで、朝から手術の時間まで待っている間はすごく長く感じられました。
すこし手術時間が遅れ13:30頃になってようやく看護師さんより声がかかり、歩いて手術室へ向かいました。
手術室に向かうのは人生で言えばこれで3回目。
なんともイヤな気分です。
もう手術前のこの空気感は味わいたくはないですね。。。
手術室に通され、ベッドに横になり手足を止められてから点滴を入れられます。
点滴から麻酔を入れられると数秒くらいの時間で意識が薄れていきました。
鼠径ヘルニアの手術後
。。。うっすらと意識がもどり。。。
ベッドに揺られながら病室にもどります。
時間を見ると17:20くらい。
約4時間ほどで手術室から帰ってきました。
全身麻酔でまったく記憶がないのであっという間の時間でした。
手術終了後の夜は背中と腰が痛くて眠れませんでした。
痛み止めの点滴のせいかキズ口はそれほど痛くはなかったのですが仰向けの同じ体勢で寝ているせいか背中と腰の痛みがひどかった。
動くとキズに響き寝返りをうつことができなかったのでベッドの柵
を抱きかかえるようにして体を横にしたりしながら術後のひと晩を過ごしました。。。
鼠径ヘルニアの手術の翌日以降
手術翌日の朝から朝食が始まりました。
まずは消化の良いお粥からスタート。
ただもともとお粥は好きでないのと、食欲がまだ回復していないのもありほとんど食べることはできませんでした。
昼前には体についていた血圧計、心電図などの機械類と尿の管もはずしようやく少し身軽になった感じでお昼ご飯はすべて食べることができました。
ただおしっこは出るものの便のほうが出ずにお腹が張った感じになり、夜になるとまたご飯が食べれなくなってきました。
鼠径ヘルニアの手術後2日目に入り、キズの痛みは少しずつマシになりカラダの動く範囲も少しずつ広くなっていきました。
ただ便が出てこずに夜に下剤を飲むことに。。。
術後2日目は便が出ないためにお腹が張り、食欲はあるもののごはんが食べれない状態となりました。
手術後3日目で、下剤の影響なのかようやく便が出ました。
ようやく体のサイクルが回復しました。
キズの痛みも日々良くなっていき入院の予定スケジュールよりも2日長い、術後5日目での退院となりました。
退院後の鼠径ヘルニア手術後の経過。。。
退院後は日ごとに体が動くようになり、術後の傷口の痛みも少しずつ治まってきている感じで順調そのものでした。
ただ手術後9日目、退院後4日目に異変。。。
腹腔鏡手術を受けてキズのあるヘソから薄く赤い液体がタラりと。。。
またへそにもズキッとした痛みも出てきたので病院に連絡しました。
とりあえず痛み止めを服用し様子を見ることになりました。
へそから出ていた薄く赤い液体は3日目でようやく止まりましたが今度はへその痛み以外にも。。。違う個所に痛みが出てきました。
手術前にふくらみがあった部分に新たな痛みが。。。
足の動かし方により、腸が突っ張るような感覚が。。。
もしかして再発してしまうのかな。。。
3か所の傷口の痛みは治まってきたものの左足のつけ根あたりの痛みと違和感が不安。
鼠径ヘルニアの再発じゃないことを祈りました。。。
その後、鼠径ヘルニアの再発の不安を感じながら生活していましたが、手術後17日目くらいからようやく足の付け根あたりに出ていた痛みや違和感が薄れてきました。
手術前の状態に近いくらいに動けるようになってきました。
ただ、まだ重いものを持つのには再発のことを考えると控えめにしていました。
。。。そして現在、手術から2年たちましたが鼠径ヘルニアが再発することもなく生活しております。
このまま鼠径ヘルニアが再発することなく過ごしていきたいですね。
また鼠径ヘルニアが再発した際は追記したいと思います。。。
(考えたくありませんが…)
鼠径ヘルニアの手術後の注意点!
・力仕事は1か月程度休む
・腸閉塞に注意する
・お腹に力を入れるようなことをすると鼠径ヘルニア(脱腸)の再発の恐れがある。
(100人に1人くらいの割合で再発する)